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2009年 01月 10日
「ル・デコ」である意味。その1
渋谷の街にありながら、此処だけぽっかり昭和の良き時代。
そんなギャラリー「ル・デコ」のエレベータはシンドラー社製。
レトロな⑤のボタンを押せば、ぎこちない動きで異空間へと誘う。
あるいは階段もステキだ。6フロアー全てがギャラリーになっているこの古いビルの階段は、
まさしく部活をサボる写真部員がたむろするに相応しい景色だ。

5階までやっとの思いでたどり着いた皆様を待っているのは、真っ黒に塗られた部屋だ。
黒い背景は、私達の実力よりも5割増しに写真を魅せるだろう。

だからと言って背景が黒ければ好い訳ではない。

例えばキヤノンギャラリー銀座。
入り口の自動ドアが開いた瞬間、天井まで真っ黒なその部屋の全容が見渡せる。
その威圧感は、写真展の内容によっては観る者を立ち竦ませ、そして拒むだろう。

私達の写真がずらっと並んだ面圧は、ずっしりと重い。
真っ黒な薄暗い壁に並べれば、なお重く感じるだろう。

でも、ギャラリー「ル・デコ」は複雑な壁面や柱に邪魔されて全容を見渡す事ができない。
だから、複雑な壁に沿って一枚一枚観て行くしかない。
途中で「重く」感じたら、柱の陰に隠れれば良い。
あるいは階段に出てサボれば良い。

昭和の趣のビルには、隠れる場所がたくさんある。
だから、サボりながら自分のペースで写真と語り合えるはずだ。
だから、何時間でも居たくなる空間なんだと思う。

僕らが愛するTOKYOみたいに、ギャラリー「ル・デコ」は見渡せない。
僕らが愛する「猫たちの東京」に、お似合いな空間だと思う。

by tokyonekogatari | 2009-01-10 01:00


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