2009年 01月 30日
「畑が臭いと、最近隣家に言われるの。」 田んぼを埋めて、ほんの趣味程度の畑を始めた母が愚痴った。 その周りだけ、奇跡的に未舗装のあぜ道と用水路が昔のまま残った。 でも、市街化調整が外れて、辺りはすっかり新興住宅地になってしまった。 元々うちの田んぼが先にあった。 鶏糞とかを使ってる訳でなく、臭気が出る作物さえ作ってはいない。 調べてみたら、あぜ道との境の植え込みに大量の犬の糞があった。 わざわざまとめて隠す様に置いてあるから、 此処で毎日その様な行為をさせる人が居るのだろう。 片付けて事情を話すと、今度は「鳥の鳴き声がうるさい」と言われた。 畑仕事の慰みにと、ほんのささやかな河津桜を3本植えた。 そこに毎朝来る鳥がうるさいのだと言う。 犬の不始末は、人間の不始末。 空飛ぶ鳥が居ない町に、人は住めない。 こんな事なら多分、年老いた親の亡き後に僕は、コンクリートを入れて、そして此処を誰かに貸すだろう。 あぜ道も近々舗装され、用水路は暗きょになるそうだ。 新しく越して来た人の家の生垣が、今度は犬のトイレになるだろう。 無機質なコンクリートの建物で朝日や視界を遮られて、河津桜と野鳥の朝のありがたさを懐かしむだろう。 私の住む街でも、新興勢力が自らの主張のみを振りかざしている。 「歩道の生垣を全て切れ!」 「あの家の植木が歩く時にぶつかる!」 近所の野良猫の数は、めっきり減った。 残った猫達はネットで締め出され、そして我が家の猫の額ほどの庭がトイレになってしまった。 数が多いから、確かに毎朝大変なニオイに見舞われる。 だから、ヒステリックになる人の気持ちもよくわかる。 個人主義の時代だから仕方ないのかも知れない。 人間だって所詮「動物」だから、自分の縄張りを主張するのも当たり前だろう。 「自分さえ良ければイイ」 失った物は二度と戻らない。 それは、残念ながら失って初めて気が付く。 何故か今、昭和の時代がブームです。 「人々の気持ちも昭和に戻ればいいのに。」 年老いた母が ポツリとつぶやいた。
by tokyonekogatari
| 2009-01-30 19:28
| Hoshinoのつぶやき
|
アバウト
カテゴリ
以前の記事
2023年 01月 2022年 10月 2022年 01月 2021年 03月 2020年 12月 2020年 10月 2020年 06月 2020年 03月 2019年 10月 2019年 04月 2019年 01月 2018年 07月 2018年 03月 2018年 01月 2017年 12月 2017年 08月 2016年 12月 2016年 11月 2016年 10月 2016年 06月 2016年 04月 2016年 02月 2015年 11月 2015年 10月 2015年 09月 2015年 08月 2015年 07月 2015年 05月 2015年 04月 2015年 03月 2015年 02月 2014年 12月 2014年 11月 2014年 07月 2014年 02月 2014年 01月 2013年 11月 2013年 10月 2013年 09月 2013年 08月 2013年 07月 2013年 06月 2013年 05月 2013年 04月 2013年 03月 2013年 02月 2012年 12月 2012年 10月 2012年 08月 2012年 07月 2012年 05月 2012年 04月 2012年 03月 2012年 02月 2011年 12月 2011年 10月 2011年 09月 2011年 08月 2011年 06月 2011年 03月 2011年 01月 2010年 12月 2010年 11月 2010年 03月 2010年 02月 2010年 01月 2009年 12月 2009年 11月 2009年 10月 2009年 09月 2009年 05月 2009年 04月 2009年 03月 2009年 02月 2009年 01月 その他のジャンル
ファン
記事ランキング
ブログジャンル
画像一覧
|
ファン申請 |
||