会場を借りて、写真を並べる。 それだけでは「写真展」ではない。
素晴らしい写真をステキに飾っても、 待てど暮らせど ガランとした空気だけ。
銀座の2大ギャラリーでさえ、宣伝を怠った写真展会場は快適な無料休憩所に過ぎない。
驕ってはいけない。 宣伝しなければ、誰も知らない。
高ぶってはいけない。 知らなければ、知らないんだから。
ナリフリ構わず宣伝する。 使える伝は、使い倒す。
やがて燻っていた噂がWEB上で一人歩きを始め クチコミが話をどんどん大きくして行く。
自分達の実力を超えた過大な前評判に、最初に噂を流した自分達が押しつぶされそうになる。
「大丈夫だろうか?」
「間に合うんだろうか?」
追い詰められ、苦悩して、考えて、団結して、そして写真家達は成長して行く。
嘘から出た真のように やがて写真家達は成長して行く。
写真という行為はかっこ悪い。 それでも僕らは、写真がスキだ。

「雨上がる」